こんにちは。塾頭山崎です。
今回は「呪いの言葉」を取り上げます。
「それくらい我慢しなさい!」、
「皆に嫌われるわよ」、
「あとで後悔するのは自分だからね」、
「あなた、友達少なくない?」、
「なんだかんだ学歴社会なのよ」、
「それじゃモテないよ」、
「あなたじゃなくて、親が笑われるのよ」、
「そんなこともできないの?」、
「あなたのためを思って言っているの」、
「入試に落ちて一番つらいのは自分だからね」、
「お姉ちゃんはもっとできたのに・・・」、
「将来が不安だわ」、などなど。
お子様に向かって言ったことはありませんか?
これらは全て子どもにとって「呪いの言葉」なのです。
(私自身、「学歴社会云々」と言ったことが…汗)
これらのネガティブワードの何が悪いかというと、
子どもの「自己肯定感を下げ、可能性を潰し、
成績が上がらない主たる原因になっているのです。
「自己肯定感」とは何かというと
「自分のことを価値ある人間である、
素直に大切であると感じる心」です。
(石田勝紀氏著『子どもの自己肯定感を高める10の魔法の言葉』、P6)
この表から、日本の高校生は「自己肯定感が低い」というのが分かります。
この本の著者の石田先生も
「お国柄や文化、歴史観、学校教育、家庭環境、本人の感受性など様々な要因があるため、
一概にその原因を特定することは難しいかもしれない」と。
石田先生ご自身が30年以上教育現場におられて感じられたことは
「日本のほとんどの子どもたちは、テストの成績によって自己肯定感を潰されている」
ということです。
「偏差値」=「自分の価値」だと思い込み、
錯覚し、自信をなくしてしまっている、と指摘されています。
私たち大人が知らず知らずのうちに発している言葉が
子どもたちの「自己肯定感」を下げていることを意識していく必要があります。
「勉強しなさい!」を言わないでください、
と度々保護者面談などでお伝えしていますが、
石田先生も「言われる度に子どもの偏差値が下がる」と指摘をされています。
「はやくしなさい!」というのも「呪いの言葉」です。
「人間が感じる時間の長さは年齢と反比例にある」というのが
「ジャネーの法則」と言われるもので、
40歳の親が感じる「10分」と10歳の子どもが感じる「10分」とでは、
ざっくり言って、子どもの方が4倍「ゆっくり」時間の流れを感じているようです。
「ちゃんとしなさい!」も「呪いの言葉」です。
よくよく考えると「ちゃんと」の定義は何でしょうか。
私たち大人も「曖昧」なまま、
「何となく」使ってしまっているのではないでしょうか。
「いい子でいてね」「私に恥をかかせないでね」
という親の願いが込められています。
この言葉をずっと言われ続けている子は「劣等感」を感じ続けることになります。
石田先生は、これらの3つ言葉は、
どれも「人から言われないとやらない」自主性を失わせる言葉、
と書かれています。
これらを言われるたびに子どもたちは「自分はダメな子」と思い込んでいくのです。
「さっさと会社に行きなよ!」、
「ちゃんと掃除しろよ!」、
「なんで毎日洗濯しないんだよ。するだろ普通」、
「仕事しているの?」
「テレビばかり見てないで早く食器洗えよ!」
などとパートナーや夫(妻)に言われたらどう感じますか?
快くできますか?カチンと来ませんか?
実は、これと同じことを親は子どもに言っているのです。
子どもも同じように「カチン」と来ているのです。
昔から「言霊」(ことだま)と言いますよね。
「言葉」にはそれだけ「力」があるのです。
ポジティブにもネガティブにもなります。
マイナスワードを常に使っている人の近くにいると
どんどん毒されていきます。
逆にプラスワードを使っている人の近くにいると
どんどんパッピーになっていきます。
言葉で腐り方が変わります驚き
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写真は同じ条件下で、言葉だけを変えた実験です。
左の方は原形が残っており、腐り方も一部だけですが、
右の方は原形を留めておらず、何だったかも分かりません。
「言葉」だけですよ、違うのは
それほど言葉には「威力」があるのです。
これも同じような実験です。
「水の結晶」です。
「いい言葉」を投げかけた結晶は
「きれいな形」をしています。
「悪い言葉」を投げかけた方の結晶は
形が崩れていますよね。
当教室でも生徒がネガティブな言葉を発したら「注意」します。
教室の天井にも色々な「言葉」を書いて張っています。
私は、生徒が「無理」「不可能」とか言ったら、
即座に天井を指し、書かれている言葉を読ませます。
(ご来塾の時にぜひご覧ください!( ´∀` )
石田先生は「プラスワードを使おう」とおっしゃっています。
「プラスワード」と「マイナスワード」を同時に使うことはできないので、
とにかく「意識」してプラスワードを使うことです。
では、どんなプラスワードを使うべきなのでしょうか。
全部書いてしまいますと何十ページにもなってしまいますので(笑)、
一部ご紹介しますと、
承認のマジックワードとして、
①すごいね、②さすがだね、③いいね、
が挙げられます。
どれも「さりげなく」「軽く」「明るく」言っていくことがポイントです。
子どもたちは、親が「心にもない」ことを言うとすぐに「見抜き」ますので、
あくまでも「軽く」いう事です。
私も非常に勉強になったのが、「いいね!」です。
石田先生は
「すごいね」と「さすがだね」は勉強では「禁止用語」
だとおっしゃっています。
例えば、お子様がテストで100点を取ってきたとします。
思わず、親としては、
「すごいね!」とか「さすが!」とか「偉い!」って言ってしまいますよね。
その時は良いとしても、
次のテストで「70点」を取ったとしたら
「70点、偉い!」とか「すごい!」って言えなくなりますよね。
そうすると子どもは
「100点取 れない自分はダメな子なんだ」
と思ってしまうのです。
だから、「いいね!」だと響きが「軽い」ためいつでも使えるのです。
それに「いいね!」は「褒める」というより「認める」感が強いです。
これは勉強になりました。教室でも使っていきたいと思います。
あとは保護者からの「アイ(私)メッセージ」が大切です。
100点を取ってきたら、素直に「私は嬉しいよ」と伝えるだけでいいのです。
勉強以外のところで
「すごいね!」や「さすが!」「素晴らしい!」を使って頂きたいと思います。
些細なことで構わないので、どんどんプラスワードを使っていくことで、
それらを聞いた子どもは「自己肯定感」を高めていき、
勉強の方にも少しずつ意識が向いていくと石田先生は主張されています。
ぜひ、ご一読ください!
この文章は当塾が発行している
「ニュースレター2月号」から取り、
加筆修正させて頂きました。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
感謝です。