こんにちは。
Victory学院講師の山田修です。
今年度から高校の授業が変わったことは
このブログでも何度か話題にしています。
社会科では「歴史総合」「地理総合」「公共」が必修科目
となりました。
これまでは選択科目だった地理ですが、皆さまは
地図や統計、グラフを使って地名や気候、産業を暗記する
面白くない教科というイメージを
お持ちではないでしょうか。
ですが「地理総合」は学ぶ意義として
「社会的事象の地理的な見方・考え方を働かせて」
「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で
民主的な国家、および社会の優位な形成者を育成する」
ためとされています。
「グローバル化する〜」は全ての教科に当てはまる
ことですが、「地理的な見方・考え方」を学ぶことが
地理を勉強する目的と言えます。
ではこの「地理的な見方・考え方」とは
どのようなものでしょうか。
先日ボージョレ・ヌーボーの最初の航空便が羽田空港に
到着したとのニュースがありました。
フランスから日本に輸出される量は全世界分の1/4とも
いわれています。
ボージョレ・ヌーボーはフランス・ブルゴーニュ地方の
ボージョレ地区でその年に収穫された新しいブドウで造る
ワインのことです。
元々はボジョレー地区のブドウ農家が収穫に感謝して祝う
ために作られたもので、その年のブドウの出来を確認する
ための試飲用ワインとして作られたものです。
ではなぜ日本でこんなにも騒がれるのでしょうか。
ボージョレ・ヌーボーは解禁日が毎年11月の第3木曜日
と決められており、これは全世界共通です。
今年は11月17日午前0時ですが、「時差」の関係で
本国フランスよりも日本の方が先に飲むことができます。
文化的に「初物」を喜ぶ日本人の文化にはよくあった
ワインなのです。
このようにちょっとしたニュースでも「時差」「初物」
といった地理的なキーワードが出てきます。
こうしたことに興味関心を持つことで、
地理の勉強はぐんと楽しくなります。
「地理」は英語で”geography”といい、”geo”=「地」と
“graphia”=「記述」に由来しています。
土地の自然現象や文物への関心と記述が元の意味です。
地球上のあらゆる出来事を知ることが「地理」なのです。
ロシアのウクライナ侵攻、地球温暖化、少子高齢化、
感染症対策、情報化などあらゆる問題は
地理と密接に関わっています。
そのような問題を解決していくためにも、
その基礎となる知識や考え方などを「地理」を通じて
子どもたちには学んで欲しいと思います。
私たち大人も地理をもう一度勉強してみませんか。
最後までお読みいただきありがとうございます。